直感力

先週末のマインドスケープのセミナーでは、沢山の気付きがありました。
(マインドスケープに関しては、こちらのサイトをご覧ください。)

最初ボディートークに興味を持ったのは、自分自身がセッションを受けた際に、その後も持続する気付きの多さに驚いたこと。そのプロトコールには、医学的な知識とヨーガで学んでいる知識が全て網羅されていて、私としては、とても理解しやすくかつ系統だってまとめられていることが魅力でした。
統合的に人を診る時に、とても使えるツールだと感じて学ぼうと思ったボディートークですが、その関連するセミナーである「マインドスケープ」は、もともとはそれに役立てようと思って受講したわけではありませんでした。

マインドスケープの説明を読まれると気づくと思いますが、いわゆるダーラナの状態に、誰でも入れるようなことが書かれています。サンヤマの状態になった時に得られるシッディが、だれでも経験できるってなんだ?・・・と。
瞑想のテクニックの実践として、ヨーガ的には、ある程度しっかりした実践が必要なことを、どんな風に西洋的にインストラクションしているのか・・・。そこにとても興味があったのでした。

マインドスケープを学んでみて・・・。
確かに、集中の状態に誰でも入ることができ、プラッティヤハーラやダーラナに近い状態はすぐに感じられると思います。基礎のマインドスケープを学んでから、自分をセンタリングしやすくなり、ヨーガの実践でも気付きが多くなったので、「ある一定のレベルまでは、誰でも到達できるメソッド」として、とても優れていると感じています。
そして、ここまで到達できれば、日常生活の中で、どんな仕事であろうと、それ以外の状況であろうと、誰でも多くの恩恵を受けることが出来ると感じていました。

今回は、そのマインドスケープをボディートークのセッションにどう活かすか・・・というセミナーでした。

レクチャーもありますが、実習が沢山あります。
ペアで、ワークをしていて、沢山の気付きがありました。
特に、左脳と右脳のバランスについて。

セッションを受ける側の時に気付いたことは、
左脳のみの状態は、繋がりが欠如して、傍にいるのに放置されているような分離の感覚と、ジャッジされているような違和感を与えるもの・・・でした。
周りがみえていないこと。
勝手な判断で、どんどん相手が遠ざかっていく感覚。視野の狭まり。
鷹のイメージ・・・でしょうか?
獲物を見つけ狙いを定めた瞬間、アドレナリン値が急上昇して、その獲物以外は目に入らず一気に急降下する時はゾーンに入っているのに、一旦逃がして、追いかけだしたときは、「どう捕まえるか」という思考の状態になり、焦れば焦るほど、獲物は捕まらない・・・みたいな。笑
左脳に偏ってはいけない・・・とは、こういうことなんだな・・・と実感。
自分がそうなっている時は、全く気付かない(気づけない)ので、練習セッションを受けて相手から感じることは、とても貴重でした。

セッションを提供する側として気付いたことは・・・。
右脳が開かれている状態は、いわゆる広い視野の中で、対象がしっかりと捉えられている感覚。ゾーンに入っている…という状態が、まさにこの状態なんだろうな…という実感。
感覚が開かれていて、鋭敏な感覚に吸い込まれ、対象と一つになっている状態。ダーラナからディヤーナをちょっと覗き見た感覚。笑
「自分」というエゴから相手を「判断する」のではなく、ただ感じる…ということ。それによって、何をすべきかが、自然と理解出来る感覚・・・。

もう一つ、面白かったのは、左脳での知識の蓄積の大切さを感じたこと。
セッション中は、左脳の知識を手放すことが大切なのですが、空っぽでは、右脳の直感も、言葉や感覚として表現することが出来ない・・・という事実。
これは知識もそうだし、人生経験も含めて全て。
長く生きれば人生経験を積んでいるかと言うとそうでもなく…。
いかに物事をしっかりと受け止めているか。
表面的ではなく、深く洞察出来てきたか…。深い洞察とは、慈しみの心や共感、愛情、喜び、悲しみ、悲嘆とそれに向き合う強い心、そして平等心。(連続講座3回目で聞いた言葉じゃないですか?笑)
なにより、「今」に留まり、それをしっかりと味わっているかどうかが、人生経験そのものなんだな・・・と感じました。

リンク(要因・因子の繋がり)の解釈もそう。
ボディートークでは、相手が今、優先的にバランスをとるべきフォーミュラ(一連の関連する因子)をあらかじめ系統立てられた手順に沿って見つけていきます。その因子の繋がりの関連が、訳が分からない…と感じることが今までとても多かったように思います。
ただ、マインドスケープを使うと、イメージとしてその因子に関わることが頭にポンっと浮かんできます。
それだけだと、余計に訳が分からない状態に引っ張られるのですが、それは、自分の左脳でそれを解釈しようとしていたからだと気づきました。勝手に頭でストーリーに仕上げようと考えてしまっていたから。
そうではなく、そのイメージがキーワードとなって、本人に伝えると、その人自身がそのキーワードに触発された印象を話しだし、それがさらに直感を働かせて核心に近づけてくれる・・・。

「答えは、その人の中にある。」ということ。
そして、本人にとっても、自分で「ハッ」と気付いたことが、問題解決の展開を一気に推し進めていくものであること。

ヨーガと全く同じです。
実践が大切・・・というのは、自分の気付きを得るため。そのための道具としてアーサナ、プラーナーヤーマがあるのであって、そのテクニックを磨くことがゴールではない・・・。

Do practice with awareness.
ティワリジは、そう仰います。プラーナーヤーマであって、シュワーサーヤーマでない実践。
アーサナの実践もそう。
何を実践するかは、本人の自由。
私のアーサナの実践に対しても、
Whatever you practice, do with awareness and sincerity.
「何を実践するにしても、気付きをもって、そして真摯に練習しなさい。」
そうティワリジは仰いました。

気付きにつながるとき、動きのあるものはスローダウンします。相対的なスピードとも言えますが。
心のスピードが落ちた結果の「ゆっくり」は、全ての感覚から入ってくる情報が、そのままダイレクトに無駄なく神経回路を伝わっていくように感じます。感情の波で行先を見失ったり、方向が変わったりすることなく・・・。
結果的に、「ゆっくり」が一番早く、無駄がなかったりする。
そして、無駄なお喋りも、心の波も少なくなっていく・・・。(これも昨日お話しましたね~。笑)

ヨーガ哲学そのものを、実践を通して学んだマインドスケープのセミナー参加でした。
気付きを、今後のクラスでシェアさせていただきますね。