【参加報告】9th International Conference 2018 @ Kaivalyadhama Yoga Institute

9th International Conference 2018, Kaivalyadhama
~Yoga as Therapy~ Scope, Evidence, and Evolution
インド:カイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所国際カンファレンスに参加して

昨年末の12月27日から30日の4日間、インド・ロナワラにあるカイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所で第9回国際カンファレンスが開催されました。
テーマは、「セラピーとしてのヨーガ:範囲、根拠、進化」
最初にカンファレンスの目的が紹介されました。そして、現在のAYUSH省がコラボして進行している新しいプロジェクトのことや、カイヴァルヤダーマがクリヤ(浄化法)をテーマとして、AYUSH省の元で実際にその研究をスタートさせることなどが紹介されました。

4つの大きな課題として、Dr. Rao先生による基調講演で以下のことが挙げられました。
①生涯飲み続ける薬を減らすこと、薬による治療の必要性を減らすこと、そして未病対策としてのヨーガの可能性を明らかにすること。
②神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン氏病、など)、加齢による疾患(関節症など)、循環器系疾患など、不可逆性疾患とされていたものを可逆性に整えることのヨーガの可能性を実証していくこと。
③ヘルス&ウェルネスセンターなど拠点を整え、免疫系、母子の健康、などにヨーガを組み込んでいくこと。
④現代医療とヨーガ・アーユルヴェーダを統合していくこと。

そのなかで、なにか問題が生じた時に誰が責任を負うのか。それに関する規則を整えることが早急に必要になっていることも明らかにされました。

このカンファレンスは。非常に内容が充実していて、実践面だけでなく、社会的な規則をどのように作っていくか、という大きな枠組みの中でセラピーとしてのヨーガが取り上げられました。全部は到底書き切れないのですが、中でも印象的だった言葉を覚書として列挙します。

*セラピーとしてのヨーガを実践だけだと考えると、現代医療と同じ対症療法(Allopathy)でしかなくなってしまう。Being yogicがセラピーとしてのヨーガではとても大切。
*実践だけではなく、ヨーガ哲学の重要性:人生の見方を変えることになるから。(実際に、これが病気の原因、再発、予防にとても大きく関わります。)
*科学的な検証も大切だが、それだけでは非常に大切な部分を見逃してしまう側面がヨーガにはあること。
*Experience comes first, evidence comes later in Yoga. Don’t forget.
*First practice, then prove. This is yoga.

アメリカやヨーロッパからのドクターによるヨーガの経験、研究についても発表がありました。エビデンスという面では、確かに論理的・科学的であり、現代医学との統合がなされやすい印象がありますが、伝統的なヨーガの奥深さに触れるという面では、インドの伝統的ヨーガの中に本来備わっているセラピー的要素は欠かすことは出来ないとも感じました。

特にインドでは、医師でありスワミでもある方が、セラピーとしてのヨーガを語っていらっしゃって、それは死生観にも深く関係する大切な部分と言えます。身体、マインド、感情、考え。それを知って初めて、自分の本質とは何なのかという「スピリチュアリティ」の領域に入っていく・・・。それは「幸せであること」

今回カンファレンスで3年ぶりに再会した、スワミ・アヌバヴァナンダ先生のポリシー “Be happy!” カンファレンスのテーマとも重なって、3年経ってようやくその一言の深さと軽快さに気づけたように思います。(カンファレンス後に、ムンバイでスワミジのバガヴァッド・ギータの講話に参加する機会にも恵まれました。これはまた後ほど・・・。)

セラピーとしてのヨーガ。今インドのヨーガ界がもの凄い勢いで動いているのを感じました。これからが本当に楽しみです。