今日は、チャンドラでクラシカル・ハタヨーガのクラスでした。
参加された方からのリクエストもあり、テーマを「乳がん患者さんのためのヨーガ」にして、その中で伝統的なアーサナとプラーナーヤーマをお伝えしてみました。
来年は、通常クラスでも参加される方のニーズに合わせてテーマを決めて、その説明を入れながらのクラスもチャンドラでやっていこうと思います。
参加して下さった方が、今日のクラスの内容をメモで送ってくださったので、それに補足して、こちらでご紹介いたします。ご協力いただいた方々(別名:福井のチャンドラーズの皆さん 笑)に感謝致します。
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【仰臥位のポーズ】
シャバーサナ・・・ポーズの名前に関すること。使う言葉に配慮することも説明。
1)片脚ずつの拳上・・・伝統的なアーサナの基本を説明するのによく使うポーズです。
2)片脚ずつの拳上と同時に対側の上肢の拳上。・・・肩関節の可動範囲を見るのに使います。乳がん患者さんの場合、治療法や病期によっては、肩関節の可動域が制限される場合があります。90度までの拳上で、どの方に制限があるかを、ざっと観察します。
3)クロコダイル・バリエーション(2ポーズ)・・・ねじりのポーズです。
*伝統的なアーサナは、背骨の動きを中心に考えます。ねじりのポーズの効果について。治療に伴う副作用緩和にどのように働くか・・・の説明。
ポーズが落ち着かない、吐き気などがある場合のポーズの調整の仕方。手の位置など。
【腹臥位のポーズ】
4)マカラーサナ・・・腹臥位のリラックスのポーズ
うつ伏せで胸の不快感、痛みを感じる場合は、患側と同じ側の膝を曲げて股関節を屈曲。両手を重ねた上に顔を患側に向けるようにして頬を乗せるポーズにする。(子供のポーズ)
5)コブラのポーズのアレンジ
肩の真下に肘をついて、上半身の反りを支える。
腋窩リンパ節の廓清をしている方、リンパ浮腫がある方は、避ける。椅子を使ったポーズにアレンジする。
*椅子を使って、アーサナのエッセンスを保ったままポーズをアレンジすることは、乳がん患者さんのヨーガでとても有用です。
*こうでなければいけない・・・というルールが多ければ多いほど、セラピーとしてのヨーガは、本人(患者さん)のニーズから離れる可能性が高いということに気を付けた方がいいと思います。
与える方のエゴが出ないようにすること・・・。これは、ティワリジがプラーナーヤーマのティーチャートレーニングで教師の心得として言っていたことでもあります。
グループで乳がん患者さんのヨーガクラスを行う時は、腹臥位のポーズは行わないことの方が多いです。
【座位のポーズ】
6)肩関節のエクササイズ・・・手を肩の先に付けて、肘で円を描くようにまわします。
このポーズでも、肩の動きに制限がないかを確認出来ます。
7)上肢の拳上・・・正座のままで、肘を伸ばしたまま、横からゆっくりと片方ずつ腕を上げていきます。必要であれば、反対側の腕で補助をしながら、出来る範囲で腕を上げます。
*バランスのポーズ以外は、基本的には目を閉じてポーズの練習をします。(目を閉じたくない人に関する説明は、今日はしませんでした。)
*他の人と比べないことも大切ですが、過去の自分と比べない・・・ということも、病気療養中の方の場合には、とても大切になります。「今」にとどまることで、それが可能になる・・・という説明をしながら実践。
*動かすスピードを観察すること。早すぎる人は、動きのみでなく、心の動きも活発(落ち着かない状態)になっています。意識が「今ここ」に留まれるようなインストラクションが必要です。
8)シャシャンカ-サナ・・・肩の違和感がある場合は、肘を曲げて肩が楽なように手を置く。胸が大腿に圧迫されて違和感がある場合は、膝を開いて、上体が脚の間に入るようにする。(マカラーサナでアレンジのポーズを好んだ人は、注意して声をかける・・・など)
9)前屈のポーズ・・・セラピーで初参加の方がいるクラスでは、基本的に非対称のポーズにする。身体が楽なように逃げ場があるポーズの方が、怪我のリスクが少なく、リラックスしやすいため。
【立位のポーズ】
基本的には椅子を傍に置いて実践する。がん患者さんのクラスでは、骨転移の患者さんも参加されているかもしれません。転倒が骨折に繋がるリスクがあるため、すぐに捕まることが出来る補助具が必要です。
10)つま先立ちのポーズ・・・必要に応じて、指先を椅子の背もたれにつけたまま、など各人で調節していただく。
他、椅子を使った立位のポーズは、限界を超えないため、疲労を生じさせないためには、とても有用です。
【呼吸法】
ナーディー・ショーダナ(12R):鼻から呼吸をすることの利点。腕の疲労に対する対処の仕方。ルールにこだわり過ぎないということ。など、呼吸法をお伝えする時の注意点について、説明。
ブラーマリー・プラーナーヤーマ(5R)
以上が、クラスの実践内容です。
クラスの合間に、ポーズをとる際の心の態度、それに気づき、どのように声をかけるか(意識するポイントをどこに置くか)などの説明をさせていただきました。
セラピーとしてヨーガを提供する時には、いつもお話していることですが、「何を提供するか」ということよりも、「どう在るか」の方がとても大切だと思います。そのためは、自分と向き合うことが出来ているかが重要で、自分自身の実践がベースになります。それがあって、ヨーガの八支則のヤマ・ニヤマの理解が可能になり、その理解によって相手のニーズを感じることが可能になるように思います。
チャンドラのクラスでは、こんなことをお伝えしています。
12月の2週末は、今日のクラスでお伝えしていたようなことも含めて、じっくりとシェアさせていただくクラスを考え中です。
内容は、今しばらくお待ちください。
講座内容のリクエストがある方は、是非ご連絡くださいませ。笑