パンチャカルマコースも山場を迎えました。
昨日は煎じ薬を摂取する日、いわゆる下剤を飲みます。パンチャカルマでは、体内にある毒素を体外に排出していくために、オイルマッサージで皮下や血中にある毒素を流したり、目や鼻に煙を入れることで涙や体液を排出させたり、またオイルバスティ、いわゆる浣腸をして腸壁や直腸にこびりついてる老廃物を排出していきます。一週間のプログラムでは、月〜水に上記のトリートメントを行ない、毒素が流れやすいような状態にカラダをしていった上で木曜に下剤を飲むことで、体外に毒素を一気に排出していきます。そして金曜からrejuvenation(回復のための療法)を行いながら、ドクターの問診を受け経過を確認してもらいます。
昨日の下剤の日は、個人によって種類が変わりますが2〜4種類の煎じ薬を午前中に一度に摂取し、そこから夜までは宿舎でジッと休んでいることが義務付けられます。トイレが近くなることはもちろんですが、下剤を飲んで便を出すということはすごく体力がいることなので安静にしていることが第一です。また、その日の食事は重湯とライスフレークのみで、カラダが弱っているので体調も変化しやすくなっています。基本的に外出もしないようにしながら、部屋の中に留まって自分のカラダを静かに浄化していきます。
今回のグループの方々は序盤に体調を崩された方も多く、山場を迎えてどうなるかな、と思っていたら大きな体調悪化もほとんどなく、この下剤の日を乗り越え、むしろ元気になり過ぎてるような印象すらありました。カラダの中の毒素を排出して楽になっていくことで、我慢しない、その人本来が持つ性格や性質が出てきたのでしょう。これはパンチャカルマのコースでは良くあることだよ、とはドクタージャガデッシュの弁ですが、このスッキリした状態から、今までの自分と、そして周りとどのようにしてバランスを取っていくか、それがコースを終えた後に取り組んでいかなければならない課題なのだと見ていて感じました。
自分も全身のオイルマッサージや、シロダーラと呼ばれる、仰向けの状態から額にオイルを流し続けるトリートメントなども経験させてもらいました。いくつかトリートメントルームの小屋があり、ウェイティングルームでセラピストに呼ばれるのを待っています。
自分は、普段ロルフィングというボディーワークを提供しているのですが、自然治療、代替医療の観点から自然の力、カラダに内在する回復能力、修正能力を引き出していくことにも関心があるので、カラダの自然な機能を使って浄化を進めていくアーユルヴェーダの取り組み方はとても興味深く、皆さんのサポートを通じていろんなことを勉強させて頂きました。また、アーサナやプラーナーヤーマといったヨーガの実践も毎日経験させてもらい、自分のカラダを改めて見つめ直す素敵な機会にもなったと思います。
これから自分は一足先に日本に帰国します。パンチャカルマのコースに参加される人はあと1日、そのままプラーナーヤーマのコースに参加される人はあと2週間、こちらのカイヴァリヤダーマ研究所に滞在します。こちらで見たこと、経験したこと、肌で触れたことは日本に帰ってもきっと忘れることはないでしょうし、またいつの日かこの日々の記憶がふと蘇ってくることが容易に想像できるくらい毎日が充実していました。その場にこうして関わることができて、とても感謝していますし、自分はラッキーだなぁと本当に思います。拙い文章ではありましたが、日々感じたことをそのまま言葉にのせてきました。自分の報告文を最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。
今後は、これから2週間かけて行なわれるプラーナーヤーマコースの参加者の皆さんから報告文が日々上がってくると思いますので、ぜひそちらも楽しみにしていてくださいね。
伊藤彰典