「死にゆく人とともにあること」 ケア提供者の「燃え尽き」Burnout of Caregiver from “Being with Dying” training course

By 2016-06-20 Blog No Comments

コースの中で、ケア提供者の「燃え尽き」もテーマの一つとして取り上げられました。

過去に、消化器外科医として24時間オンコールで働いていたとき、自分自身「燃え尽き」を経験したことがあります。
その時に、ヨーガの師であるティワリジに相談したのですが、間髪入れず返ってきた答えは
「医師をやめてはいけない。ヨーガで病気は100%治せるわけではない。学んできた知識と経験を使って、必要な人を助けなさい。」
でした。
そして今…、ウパヤ禅センターにいてこのコースに参加しているという事実。
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このコースでは、Compassion「慈しみ」の態度がケア提供者には欠かせないということを学びます。そして、Compassionそのものは、発現する過程であって、教わることは出来ないということも。努力のない状態の中で発現するものだと。
これを聞いたとき、
「まるで瞑想(ディヤーナ)みたいだな・・・。」と感じました。内側のヨーガの状態と同じ。

ではどのようにCompassionの態度を養ったらいいのか?

Compassionは、複数の要素が合わさることで自然と発現するものだとジョアン老師は言います。その要素の一つが、Empathy「共感」です。
ただ、共感だけにとどまってしまうと、苦しい人に向き合ったとき、自分までその苦しみに巻き込まれてしまい、結果的に「燃え尽き」てしまうことも。

Strong Back & Soft Front
強い背中と、柔らかい前面。

この意識は、本当に大切だと実感しました。
それがGRACEの概念のG(意識を集める)でありR(意図を思い起こす)であり、A(自分に波長を合わせ、そのうえで他者に合わせる)であるということも。

自分自身がEdged state(危機的な状況)の一つである「燃え尽き」になりそうだった時、その現実から身を守るために、私は前面を固くして鎧をかぶっていた…。

コースの前半は、沈黙でいるように勧められ、それが気づきを急速に後押ししてくれたように感じました。(Silent practiceについては、また後程)

全ての経験と出来事があって、今ここにいる。

そう実感し、その場にいられることを感謝したトレーニング初日(5月21日)でした。