火曜日のYoga & GRACE@福井赤十字病院緩和ケア病棟

By 2017-04-11 Blog No Comments

火曜日のお昼(13時15分~13時半)は、緩和ケア病棟の看護師の皆さんに、ヨーガクラスをご提供しています。ヨーガを通じたGRACEの実践です。
ちなみに、毎日朝と夕方10分ずつ、看護職員が自らGRACEのグループ練習をしています。
(GRACEの実践を日常の業務の中で行うための練習の時間を、一日に2回設けている、と言った方が正確です。)

身体を動かすことで、自分の身体感覚の変化を感じることをメインに実践していますが、その中で、GRACEの概念に関係することを説明しています。それはほとんどヨーガで私が学んできたことでもあります。

今日は、10分ほど身体を感じるヨーガ(アーサナ)をインストラクションし、その後、自分の内側に向けていた意識を、まずは皮膚感覚に向けてもらいました。
ナースステーションの室内環境が少し暑く、身体の動きによって、少し汗ばんだ状態になっているのを感じました。うっすら汗をかくと、空気の流れを感じやすくなります。そこで、目を閉じ身体の動きを止めた状態で、皮膚で空気の動きを感じてもらうようインストラクションしました。動きを通じた大きな感覚ではなく、より微細な対象に意識を集中させる練習です。
しばらくすると、病棟内に患者さんを案内して、他の看護師さんが話しながら入ってくる物音が聞こえだしました。
今度は、音に意識を向けてもらうことにしました。話し声だけでなく、足音や、空調の音や、モニターの音や、BGMの音楽、いろいろな音が混在しています。それら全体の音を、耳から入って来るに任せるように、ただ、感じる、という時間を持ちました。

普段私たちは、自分が気になる対象に心をくっつけて、それによって感情が動き、思考が動き、その結果行動しています。
GRACEでは、自分のそのような傾向に気づき、自分の偏見を一旦外し、ありのままに状況を感じ(自分と相手、そしてそれを取り囲む状況全て)そのうえで、今、何がなされるべきかを考え、行動に移します。
そこに存在する音を、ただありのままに感じることは、GRACEのAの実践そのものであるということ。
その説明を聞いて、皆が何かを感じてくれたようです。

患者さんだけでなく、ストレス下にあると誰にでも、失体感・失感情が生じ得ます。ヨーガ・アーサナの良い点は、身体をしっかりと使うことで、誰でも体感覚を得やすいという点です。そのうえで、今度はもっと微細な感覚に意識を向ける練習をしていきます。それには、ある程度の集中力を要します。
緊張をともなう集中ではなく、リラックスして意識を集中すべきところに繋ぎとめること。それによって、今まで見えなかったことが見えてきます。

病棟では、いろいろなことが日々起きています。看護師さんのニーズや興味も日々変わります。それを感じながら、その時に私自身が感じた皆さんのニーズに合わせてGRACE実践のインストラクションを行っています。ある意味、私自身のGRACE実践だな…と感じます。