バトン形式でお送りしているプラーナーヤーマ・コースレポートです。
9日目の様子は小谷真由美 さんが担当してくださいます。
金沢市でM YOGAというヨガスタジオを主宰している小谷真由美です。
カイヴァリヤダーマもインドも今回が初めてなので、エキサイティングな毎日を過ごしています。その中でも特に面白いと感じたエピソードを紹介したいと思います。
このコースの中では、毎日午前中に色々な先生のレクチャがあります。テーマはプラーナーヤーマ、アーユルヴェーダ、セラピー、サマディ、チャクラなど、さまざまですが、それぞれ断片的に学んでいるようで、いろんなものが、まるで音を立てて繋がっていくかのような、不思議な感覚があります。それは、ここで教えている先生方が、みな、ヨガやアーユルヴェーダの哲学を広く深く理解し、ご自身の生活の中で真摯に実践しているからに他ならないと思います。
昨日のレクチャは、ジャガディッシュ先生によるアーユルヴェーダの講義でした。講義の内容は、ヴァータ・ピッタ・カファに関するものですが、特に、その3つのドーシャをマインドや生活態度に関連させての話でした。私の中ではこれまでアーユルヴェーダと聞くと、東洋“医学”ということで、身体的な特徴や各種症状、それに対する食事療法、オイルマッサージなど、体に関するイメージが強かったのですが、ジャガディッシュ先生は講義の初めの方に問いかけます。「自分の身体が人生に関わっている割合はどんなものか?」と。
確かに、日々の生活の中での好調・不調や、人生における成功・失敗など、大事なことは身体的なことよりも、その人の性格や心の持ちようなど「内側からのエネルギー」によることがほとんどを占めているように思えます。
そして、信頼(平和、落ち着き、自信)に関するドーシャがカファ、エネルギー(火、活動、消化)に関するのがピッタ、経験に関するのがヴァータと説明が続きます。
それで、何をするにも、まず、目を閉じて祈る、等の行為で自分の信頼(カファ)と繋がることが大切と説きます。カファは水と地の要素、つまり自分のオリジナリティ、本質であり、そこにしっかり繋がり、そのサポートを受けることで、安定性を得られるということで、信頼と繋がりカファを強くすることが大切と教わりました。
毎日やることに追われて、次から次へと物事を機械的にこなしながら、いつも頭の中が何かでいっぱいになっていた最近の自分の生活を振り返り、カファ(自分への信頼)が弱くなっていたのだな、と強く実感しました。
今回のコースでは、希望する人はジャガディッシュ先生からアーユルヴェーダの個別診断を受けることが出来るのですが、昨日も午後1時から4,5名の人の個別予約が入っていました。ではまた午後に、という感じで11時ころに講義が終わり、お昼になり、食堂でご飯を食べていた時のこと。
1時を過ぎたころ、ジャガディッシュ先生が悠々と食堂に入ってきます。
「あれ?今日は1時からじゃなかったっけ?」と私たちがひそひそ話している横を、ニンマリしながら堂々とランチをよそって席につきます。
講義のあと、何か用事がありそんな時間になったのでしょうが、人との約束の時間に遅れようとも、急ぐ様子は全くありません(笑) こんなところでアタフタしたり、ランチを食べ損ねてドーシャバランスを崩してしまっては、その後の仕事でよいパフォーマンスが出来ないことが分かっているということでしょう。
信頼(カファ)と繋がりながら、ゆっくり食事を楽しみ、これまた悠々とおかわりまでしている姿には、後光がさしているようにも見えました。
インド時間というのでしょうか、、、ジャガディッシュ先生、ほんとに素敵です(笑)
待たされている人たちには気の毒だと思いましたが、レクチャの時間に理論を話すだけでなく、ちゃんと生活の中で実践している姿を見せて頂きました。
こんな風に、ここでは毎日いろんな気づきや発見に満ちています。本当はどこでもそうなんでしょうが、自分と繋がる時間が失われるほど、気づきも失われているのかなとも思います。
今回、この天国のようなヨガの聖地で、ゆっくりヨガの教えに浸れる2週間を過ごすことができて、本当に幸せに思います。残り4日間も楽しみたいと思います。
小谷真由美