患者さんの物語から学ぶこと

「今日も無事に目が覚めたよ、って先に逝った連れに言うんです。」
今日は、福井赤十字病院勤務の日。午前中は化学療法を受けに来る方のサポートをしています。

身体の調子はどうか、気になることはないかを伺いながら、点滴薬剤の確認や注射針の刺入などをしていきます。
アーユルヴェーダ的な脈診も使っていたりすると、思わぬ話の展開になることもあります。
今日お話してくださった方の中で、印象的だったのがこの言葉。

その方は、眠剤で眠れていると言います。それでも朝、早く目覚めるため、まずはご先祖様の仏壇を整えて、その後、亡くなった奥さんのお墓にお参りに行くそうです。炊きたてのご飯を持って・・・。
脚がむくみやすいと訴えるその方に、脚のむくみを解消するためのヨーガ的な動作をお伝えしながら、いろいろとお話をさせて頂きました。
自分は、前の日に仏壇に供えたご飯を温め直して食べるんだ。それがちょうど良いのだ、と笑顔でお話してくださいました。
アーユルヴェーダ的に言えば理想的な食べ方ではないけれど、その事によって、ご自分の中で満たされた感覚があり、幸せを感じられていること。
決して楽な状況ではないのに、穏やかな笑顔でお話されるその姿に、なんだかハートが熱くなり感謝の気持ちに満たされたエピソードでした。